🌿 こころの相談室内科医コラム

ストレスで血圧は上がる?――内科医が答える「職場高血圧」の話

内科医 前川 出まえかわクリニック)|2026年7月5日

「健診では正常なのに、会社で測ると高いんです」「苦手な上司と話した後、動悸がして血圧を測ったら150ありました」――血圧とストレスの関係は、外来で最も多い質問のひとつです。答えから言うと、ストレスで血圧は上がります。しかも、見逃されやすい形で。

緊張で血圧が上がるのは正常な反応

ストレスを感じると、交感神経が心拍を速め、血管を収縮させ、血圧を一時的に上げます。これは体が「戦うか逃げるか」に備える正常な反応で、一時的なら心配いりません。

問題は、職場の人間関係のようにストレスが毎日・長期間続く場合です。血圧の高い時間帯が長くなれば、血管への負担はその分蓄積していきます。

「職場高血圧」「仮面高血圧」という落とし穴

血圧には、測る場所によって顔を変えるやっかいな性質があります。

タイプ特徴
白衣高血圧診察室でだけ高い(医療機関の緊張で上がる)
仮面高血圧・職場高血圧診察室や健診では正常なのに、職場や早朝など日常の中で高い。健診をすり抜けるため発見されにくく、リスクはむしろ高いことが知られています

職場のストレスが強い人は、まさにこの「仮面高血圧」のパターンに陥りやすいのです。健診で「正常」と言われていても安心できない理由がここにあります。

家庭血圧を測ってみてください

仮面高血圧を見つける方法はシンプルで、家庭での血圧測定です。

数値の記録は、受診したときに医師にとって何よりの情報になります。スマホのメモでも手帳でも構いません。

「ストレスのせい」で終わらせないでください

ここが内科医として一番お伝えしたい点です。「ストレスで上がってるだけだから、ストレスが減れば戻るだろう」と様子見を続けるのは危険です。高血圧は自覚症状がないまま血管を傷め続けます。ストレス源(人間関係)への対処と、血圧そのものの管理は、両方並行して行うものです。家庭血圧が高めに出るようなら、一度かかりつけの内科でご相談ください。