ストレスで血圧は上がる?――内科医が答える「職場高血圧」の話
「健診では正常なのに、会社で測ると高いんです」「苦手な上司と話した後、動悸がして血圧を測ったら150ありました」――血圧とストレスの関係は、外来で最も多い質問のひとつです。答えから言うと、ストレスで血圧は上がります。しかも、見逃されやすい形で。
緊張で血圧が上がるのは正常な反応
ストレスを感じると、交感神経が心拍を速め、血管を収縮させ、血圧を一時的に上げます。これは体が「戦うか逃げるか」に備える正常な反応で、一時的なら心配いりません。
問題は、職場の人間関係のようにストレスが毎日・長期間続く場合です。血圧の高い時間帯が長くなれば、血管への負担はその分蓄積していきます。
「職場高血圧」「仮面高血圧」という落とし穴
血圧には、測る場所によって顔を変えるやっかいな性質があります。
| タイプ | 特徴 |
|---|---|
| 白衣高血圧 | 診察室でだけ高い(医療機関の緊張で上がる) |
| 仮面高血圧・職場高血圧 | 診察室や健診では正常なのに、職場や早朝など日常の中で高い。健診をすり抜けるため発見されにくく、リスクはむしろ高いことが知られています |
職場のストレスが強い人は、まさにこの「仮面高血圧」のパターンに陥りやすいのです。健診で「正常」と言われていても安心できない理由がここにあります。
家庭血圧を測ってみてください
仮面高血圧を見つける方法はシンプルで、家庭での血圧測定です。
- 朝(起床後1時間以内、トイレを済ませて、朝食・服薬の前)と夜(就寝前)の2回
- 椅子に座って1〜2分安静にしてから測る
- 目安:家庭血圧で135/85mmHg以上が続くなら受診を
数値の記録は、受診したときに医師にとって何よりの情報になります。スマホのメモでも手帳でも構いません。
「ストレスのせい」で終わらせないでください
ここが内科医として一番お伝えしたい点です。「ストレスで上がってるだけだから、ストレスが減れば戻るだろう」と様子見を続けるのは危険です。高血圧は自覚症状がないまま血管を傷め続けます。ストレス源(人間関係)への対処と、血圧そのものの管理は、両方並行して行うものです。家庭血圧が高めに出るようなら、一度かかりつけの内科でご相談ください。